1999年。 この年、地球のあらゆる場所は異常気象に見舞われた。 夏を迎えた一部の地域では雪が降り、 冬を迎えた一部の地域では真夏のような暑さを向かえた。 洪水、砂漠化、火災・・・ 各地のニュースは連日何かしらの気象現象について取り上げていた。 そんななか、八人の子供達は毎年学校が主催している子供キャンプに参加していた。 八神太一 ・・・・・・・小学校五年生 竹之内空 ・・・・・・・小学校五年生 泉光子郎 ・・・・・・・小学校四年生 太刀川ミミ ・・・・・・・小学校四年生 城戸丈 ・・・・・・・小学校六年生 石田ヤマト ・・・・・・・小学校五年生 高石タケル ・・・・・・・小学校二年生 ・・・・・・・小学校四年生 キャンプ場にたどり着き、各々が自由に周りを探検していたとき、それは起きた。 真夏にも拘らず、突然雪が降り始めたのだ。 「うわぁ!!」 彼らは目の前に広がる一面の雪に歓声をあげた。 普段東京で生活する彼らに、一面雪で覆われている光景はあまりに珍しいものだった。 「やっと止んだみたいだな。」 「雪だ!すご〜い!」 「おいタケル、気をつけろ!」 はしゃぐように外へ飛び出す太一とタケル。 タケルの後をあわてて追いかけ、ヤマトもまた雪に足をつける。 「寒いわね、夏とは思えない・・・」 「うわ、一面真っ白・・・」 後から出てきた空とも、目の前に広がる光景に驚いた声を上げる。 そこへ早く大人の下へ帰るべきだと遅れて出てきた丈が主張を始めるが、 其れを上回る声で歓声を上げたミミにかき消されてしまった。 「きゃー!きれい〜!」 子供達はそれぞれ雪景色の中へ足を踏み出した。 一方、祠の中ではまだ一人の少年が部屋の真ん中で座り込んでいた。 「だめか・・・吹雪が止んだら電波届くと思ったのにな・・・」 オレンジ色のシャツに、緑のズボンをはいた少年は 携帯電話を片手に黄色のパソコンの画面を覗き込んでいた。 その画面にはには「接続不可能」の文字が点滅している。 携帯とパソコンを使ってインターネットに接続しようとしていたようだ。 しかし、どういうわけか吹雪の前には繋がっていたそれも、 吹雪の後からは繋がらなくなってしまったらしい。 「光子郎!早く来いよ!」 外で歓声が上がった後、太一に呼ばれて画面と睨めっこをしていた彼は頭を上げた。 光子郎は『なにかあったんだろうか』と太一のいる祠の出口の方へと足を運ぶ。 そして、他の子供たちに習い空を仰ぐと、光子郎は己の目を疑った。 「あ、あれは・・・!」 「虹色のカーテンみたい・・・。」 「オーロラよ!」 「初めて見たぜ・・・」 「すごいよね!」 それぞれが口々に感想を言う。 光子郎は目の前に起こっている現象をすぐさま否定した。 「そんな変ですよ!!日本でオーロラなんて・・・!」 「そうなんだよね・・・」 光子郎の呟きに空が同意する。 確かに目の前の空に映るカーテンのような光はオーロラ以外の何物でもなかった。 とはいえ、少なくともこの関東地域でオーロラを見ることは事実上不可能。 日本列島で唯一見られる可能性があるのは北海道ぐらいかもしれないが今は八月。 いくら北海道でも真夏にオーロラを見ることはおそらくありえない。 一面雪で埋まっていて目の前の光景といい、一体どうなっているのだろうか? 「早く大人たちのいるキャンプ場のほうへ戻らなきゃ・・・」 丈が不安げな声を上げる。 それに同意するヤマト。 も同じく口を開こうとしたが、ふいになにかがオーロラの中に見えたような気がして口を閉じた。 じっと目を凝らしてみるが、その正体をつかむ前に太一の声が耳に入る。 「お、おい・・・あれ!」 皆がその光のほうに目をやるとその中から数個の光が自分達をめがけて飛び出してきた。 思わず目をつぶって構えると足元で何かがぶつかる音がする。 足元の雪が大きく飛び散っている様が肌に感じる冷たさでわかった。 漸く目を開けられるようになり足元を確認すれば、そこには小さな穴が開いていた。 「隕石?」 近くにいた光子郎が恐る恐るその穴を覗き込む。 立て続けに起こる不可解な出来事には頭が軽く混乱していた。 彼に習い、自分も足元を覗き込む。 すると、その穴から光るものがゆっくりと浮かんできた。 不思議に思いながらも皆がそれぞれ自分の前に浮いていたその光を手にした。 その刹那、 『な!?』 先ほどその物体を吐き出したおきな光の後ろから巨大な津波が八人の子供達を襲った。 かくして、子供達の冒険が始まった。 |
<アトガキ> どうも、管理人:流希です。 以前のサイトで書き掛けだったデジモン無印シリーズを、8月1日をきっかけに復活させました! 相変わらずマイペースな更新になるかとは思いますが、お付き合いいただきたいな、と思います! |