負かしたいヤツがいる。 それと同じ位、負けたくないヤツがいる。 ま、あんなヤツにオレが負けるワケないけどね。 「たっのもー!」 部活が終わる頃、最近ではいっつもこの声を聞く。 「また来たの。」 「あったり前よ!」 フェンスの向こうには目をギラギラと目を輝かせている女子が一人。 「んじゃ、早く入んなよ。」 「あいよ!」 うるさいくらいの声を張り上げ、そいつはコートの出入り口に回っていった。 まだコートに残っていたレギュラー陣ももう毎日のように繰り返されている出来事なので今さらなにも言わない。 ただ小さく苦笑を浮かべて、思い思いの言葉を言い残してからそれぞれ部室に消えていった。 「越前!!手前のコート以外片しちまうからなー!」 「んー。」 「堀尾くん、ありがとー!」 「さん、ボール三球で良い?」 「うん!ゴメンね、水野くん!」 片付け担当の一年生達も慣れきったもので、さっさと必要なものだけ残して作業に入る。 「ホラ、やるよ。」 「おう!今日こそ勝つからねー!」 なんて、色気もへったくれもない声がコートに響いた。 「オレが負けるわけないじゃん。」 そもそもの始まりは、数ヶ月前の体育の授業。 隣のクラスと合同で、テニスをすることになった。 普通、こういう授業って男女別でやるもんなんだけど、大雑把な教師が 男女の経験者を全員まとめて三つのコートに放り込んでミニゲームをやらせることにした。 1セット丸々終わらせる前に次々と対戦相手が変わるのは面白かったけど・・・ 「みんな弱すぎ。」 本気出してないのにラリーが続かないのはどうかと思った。 あんまりにも周りが弱いせいで、オレのいるコートに挑戦してくるヤツは自然と減っていった。 ミニゲームの内容が3球中2球征したら勝った方が残るっていうシステムだから、 チャレンジャーがこないとなると必然的にやることがなくなる。 左右のコートは何回か入れ替えがあったみたいで、最初にいたのとは別のヤツが勝者側に立ってた。 「まだまだだね。」 暇だし、サーブでも打っていようか、と思った時、物凄く能天気な声が耳に届いた。 「あっれー?こっちのコート空いてるじゃん!」 見れば、女子が一人オレがいるコートの方に足を進めていた。 それが、だった。 「おい、やめておけって!」 そのとき確かが挑戦者側のコートに立とうとするのを慌てて止めた男子がいた。 「なんでよ?」 「おまっ、だってソイツ越前だぜ?」 「エチゼン?エチゼンなんちゃらの守・・・」 「違うから。オレの名前。」 「あ、そうなんだ。ごめんごめん。 私、、よろしく。」 「よろしく。」 の様子を見ていた男子は顔を青ざめてまた口を開いた。 「お、おっまえ、マジで言ってんのか?越前のこと知らねぇのかよ。」 「うん、知らない。始めましてこんにちは。」 「ソイツは男テニ一年唯一のレギュラーだぞ!?」 「へー!すごいね、越前くん!」 「別に。」 「っていうか、岸川なんでそんなに詳しいの?」 「オレも男テニ部員だからだよっ!」 「「へー、そうなんだ。」」 素直な感想を二人して口にしたら、その男はコートの隅で足を抱えてうずくまってしまって、 なぜかその隣で堀尾が慰めている姿が妙に印象的だった。 「とりあえずあれでしょ?越前くんはテニスすんごく強いってことでしょ?」 「まあ、今ここにいる人よりは強いんじゃない?」 「よっしゃ!じゃやっぱり私このコートでやる!」 満面の笑顔で言い切られて、オレはあの時自然と自分の頬が緩んでいくのを感じていた。 「いいの?みんなは嫌がってこのコートで打とうとしないんだけど?」 「どうせなら強いテニスとやりたいじゃん!」 「それはオレも同感。」 元気良く言い切ったが気に入ったのは言うまでもなく、オレ達はそのままミニゲームを始めた。 はなかなかいいテニスをするヤツで、どこに落としても大抵はきちんと拾って返球してくるからそれなりに面白かった。 モチロン、オレはその時容赦なくを打ち負かした。 負けたのが相当悔しかったらしくって、体育が終わるまではひたすらオレのいるコートに挑戦してきていた。 そして、現在に至る。 あれからはほぼ毎日、部活が終わってからひょっこり顔を出してオレに挑戦してくるようになった。 「こんちくしょー!また負けたぁ!!」 「そんな簡単にオレに勝てるわけないじゃん」 「今日はいけると思ったんだけどなぁ・・・」 「まだまだだね。」 「ちぇ〜・・・」 本気で悔しがっているが面白くって、オレはつい頬が緩んでしまう。 「ま、筋は悪くないほうだと思うよ?」 「ほんと!?」 「ってワケで、今日もポンタよろしく。」 「うっ・・・はぁーい。」 後片付けを終えて帰路に着く時、勝者にジュースを奢るのもいつの間にか定着した恒例行事。 途中の自販機の前で、はしぶしぶ金を入れてからポンタと、自分の分の飲み物を購入した。 「うう・・・毎日ポンタ代を支払うのはキツイかも・・・」 「いっそのこと纏め買いでもしておけば?」 「やだっ!越前くんに勝ったときに損しちゃうじゃんか!」 「ふーん?ま、せいぜいがんばれば?」 「明日こそ絶対に勝ってやるんだから!」 は勢い良く自分が買ったオレンジジュースを振り回してからプルタブを空けた。 っていうか、オレが負けるわけないじゃん。 心の中でつぶやいてから、オレはに奢ってもらったポンタに口をつけた。 明日も、きっとコイツはオレに勝負を挑んでくる。 ・・・・・・ん?明日? 「あ、そういえば明日無理。」 「ほえ?」 「練習試合だった。」 「あれま。そっか、そりゃ残念。どこでやるの?」 「ウチの学校でだけど?」 「お!じゃあ、女テニの練習が終わったら応援に行ってあげるよ。」 「・・・・・・って、女子テニス部だっけ?」 「前にそういったはずですけど?」 「ふーん。」 「言ったからね!?前に絶対言ったからね!?」 「はいはい。ほら、帰るんでしょ?」 「も〜!!次こそ絶対勝ってやるんだから!」 オレが忘れているわけがないのに、本気で絶叫しているがおかしくって、 噴出さないようにするのがちょっとだけ大変だった。 「んで、お前らどこまで進んだんだよ?」 「は?」 ロッカーを閉めた瞬間、桃先輩がそんな言葉を投げかけてきた。 「とぼけんなって!あの子とだよ、あの〜・・・ホラ、部活後によくお前と打ち合いに来る子。」 「ああ、・・・?」 「そーそーそー!もうチューくらいまでいったのか?」 「そんな関係じゃないッスよ。」 返した返答が思ったようなものではなかったのか、桃先輩はなんか後ろでブツブツ文句を言ってたけど、 とりあえずほっといてオレは部室を出た。 「越前くん!」 外に出れば、調度女子テニス部の部室とコートの間くらいに立っているが声を掛けてきた。 噂をすれば・・・ってヤツ? 「今日がんばってよ〜!負けたら承知しないからね〜!」 「当たり前じゃん!」 は手を振りながら上機嫌に笑い声を上げると、女子テニス部のコートのほうへ走っていった。 さあ、気合を入れなければならない。 が見に来たときに既に負けてました、じゃ格好つかないしね。 オレは不適な笑みを浮かべた後、アップを始めた。 は約束どおり部活後にやってきた。 ほんと、考えていることがよく顔に出るやつ。 ニコニコと笑いながら試合を見学してる様はほんとにテニスがすきなんだってよくわかる。 「来たんだ。」 チェンジコートのついでに声を掛ければうれしそうに笑い返してくる。 「もっちろん! 勝ってるじゃない!さっすが越前くん、って感じッスね!」 「そりゃどーも。」 「負けないでよ?」 「当たり前じゃん。こそちゃんと見てなよ?」 「もちのろんさ!この試合見て明日の越前くん対策考えるんだから!」 「ふーん。ま、せいぜいがんばれば?」 にやりと笑って反対側のコートへ向かう。 が見ている前で気なんて抜いていられない。 ま、もともと抜いてるつもりなんてないけどさ。 オレはボールを数回バウンドさせると相手コートへサーブを叩き込んだ。 「うへ〜・・・相変わらず切れるサーブだなぁ・・・ アレの攻略がなぁ・・・・・・まだまだなんだよね・・・うーん・・・・・」 は真剣にオレの試合を見ながら明日の対策を立て始めていた。 だから、声を掛けられるまでその後ろに人が立っていることなんて気がつかなかったんだろう。 「一年のさん、よね?」 「はい?」 が振り返った先には女子生徒が3人ほど立っていた。 「どちらさまでしょう?」 「そんなことは気にしなくっていいのよ。ちょっと話しがあるんだけど、着いてきてもらえる?」 「はぁ・・・今試合見てるんで、その後でもいいですか?」 「今がいいんだけど。」 少しきつめの口調で言われたは少し迷った様子を見せた後に「わかりました」と了承していた。 「で、なの御用でしょう?」 能天気なオーラ全開で訊ねる。 それを引き金に、呼び出した3人の女子生徒の仮面がはがされた。 「一つ、あなたにお願いがあってね。」 「はぁ・・・私にできること、なんですか?」 「そうね、あなたにしかできないことかしら?」 リーダー格と思われる女子生徒は威圧的な笑みを浮かべ、 残りの二人はが逃げられないよう、彼女を取り囲む。 「あの、とりあえずこのおもーい空気嫌なんで、早くしてくれるとありがたいなー、なんて・・・」 「私も早いところ終わらせちゃいたいから、あなたが素直にお願いを聞いてくれるとありがたいわ。」 「っていうか、聞いてくれないと困るんだよね。」 「大丈夫だよ?結構簡単なことだから。」 「は、はぁ・・・」 畳み掛けるように言われ、も曖昧に返事を返すしかない。 「あなたにお願いしたいことはね、リョーマ君に近づくのをやめて欲しいの。」 「へ?」 はぽかーんと間抜けな顔をした。 彼女たちの言っている意味が解らない、といったほうが正しいだろう。 それを察したらしいリーダー格の女生徒は優しそうな笑顔を浮かべ、口を開いた。 「最近あなたテニス部の練習の後に彼と打ち合ってるでしょう? まずはそれをやめて欲しいの。」 「やめるって・・・」 「あなたも女子テニス部ではそれなりに期待されているってきくけど、 リョーマ君はその比じゃないわ。 そんなリョーマ君の大切な時間を、本当ならあなたに割いている時間はないと思うの。」 にっこりと優しくつながれる言葉は、しかしその分強い衝撃をに与えた。 がなにも返さないことをいいことに女子生徒は話を続けた。 「男子テニス部の練習量はとっても多いの。 にも関わらずその後もたくさん自主練習している人だって多いわ。 それだけ男子テニス部ではレギュラーの座を獲得するのが大変だってことでしょ? リョーマ君も本来なら自主練に時間を割きたいはず。 なのに、その時間をあなたのわがままに付き合ってちょっとした打ち合いをするのに使っているの。」 「あれは、勝負で!」 「女子が男子に普通に勝負して勝てるわけないじゃないの!」 「そんなのやってみなきゃわかんないじゃないですか!」 「そうね、じゃ見方を変えてみましょうか?」 思わぬ反撃にあい、少し苛立ちを見せる女生徒たちだったが、 リーダーはいち早く冷静さを取り戻し、口を開いた。 「女子テニス部に所属しているあなたにとっては、リョーマ君と打ち合うことができるのはそれはいい練習よね? 確実に格上の相手と練習することができるんだもの。 でも、リョーマ君にとってはどうかしら?」 思いも寄らなかった質問を投げかけられ、はとっさに言葉が出なくなってしまった。 女子生徒はさらに言葉を続ける。 「あなたと毎日、つかれきった体で打ち合うことに彼になにかメリットはあるの?」 「メリット・・・?」 「そう、リョーマ君にとってあなたと勝負することでなにか得することはあるのかしら?」 考えても見なかったことを突きつけられた、といった表情では固まった。 「ねぇ?なにもないでしょう?」 勝ち誇ったような声が、やけに耳に響いた。 「リョーマ君が優しいからなにも言わないだけなの。 でも、ほんとうは迷惑なのよ、あなたのために割いている大切な時間が。」 「めいわく・・・」 「そう、迷惑なのよ。」 だから、とさらに言葉をつなごうとしたとき、校舎裏に別の声が響いた。 「勝手に色々決め付けないでくれない?」 声を聞いた途端、を囲んでいた女子生徒たちの肩が震えた。 そして、恐る恐るこっちを振り返った。 さっきまで勇ましくに詰め寄っていた表情とは、きっと180度違うどこかおびえた表情。 オレはその表情を目にして、つい鼻で笑ってしまった。 「迷惑なことされて黙っているほど、オレお人よしじゃないんだけど。」 「りょ、リョーマ君・・・」 「っていうか、こんなとこに女子を呼び出して 勝手なこと色々言い聞かせるようなアンタたちの方がよっぽど迷惑。」 「そ、そんな、リョーマ君っ、私たちそんなつもりじゃ!」 「あと、勝手に名前で呼ぶのやめてくんない?知らない人にそんな風に呼ばれたくないんだよね。」 立て続けに言い放つと、さっきまで威勢が良かった三人も随分大人しくなった。 所詮その程度だよね、こういうことする女って。 「色々と勝手に決め付けて変に干渉されるのって一番嫌いなんだよね。」 ちょっと睨みつければ、すぐに肩をすくめてなにも言えなくなる。 オレは三人がひるんだ隙に、ちらとへ視線を移した。 は、いつの間にか地面に座り込んでいて、オレのほうを見ていた。 あ、あの顔はなんか余計なこと考えてる顔だ、ってなんか直感的にわかってオレは少し顔をしかめた。 そんなオレの表情の変化にはすばやく反応してすぐに視線を下にしてしまう。 ちょっとだけムッとして、オレはその苛立ちの矛先を再びこの状況を引き起こした女たちに向けた。 「アンタたちがなにを思ってに変なこと吹き込もうとしたのかわかんないけど、 オレの大事な練習相手奪わないでくれない?」 「え?」 「と打ってると、色々解ってくるんだよね。 いつも全力でオレを倒しにくるから俺でさえ気づいてなかったことに気づいて攻めてくんの。 少なくとも、アンタたちとこうして話してるより、よっぽど俺のためになるよ。」 ふるふると肩を振るわせ始めた女たちをオレはもう一度睨みつけると、冷たい声で言い放った。 「アンタたちみたいなの、見てるといらいらしてくるんだよね。 さっさと向こう行ってくんない? あと、次オレの前に姿見せたらなにするかわかんないから、気をつけてね。」 おびえた様子で走り去っていく三人。 オレはその様子を横目で見た後、の前に立った。 「呼ばれたからってほいほいついていくとか、無用心すぎ。」 「ごめん、なさい・・・」 「・・・大丈夫?」 「うん・・・かばってくれてありがと・・・あの、越前くん試合は?」 「即行で終わらせた。」 「そうなんだ・・・さすがだね・・・あはは・・・」 「ねぇ。」 「なに?」 「なんでこっち見ないの?」 ぴくりとしゃがみこんだままのの方が揺れた。 「まさか、さっきの三人に言われたこと気にしてるとか?」 は、何も答えなかった。 「あのさ、さっきのオレの話聞いてた?」 「いや、うん。聞いてたよ?」 「じゃあ、何でまだ下向いてるの?」 は黙り込んでしまった。 きっとコイツの頭の中にはさっきの女たちに言われたことがぐるぐると渦巻いてるんだろう。 「さ、実は結構打たれ弱かったんだね。」 「・・・・・・」 「さっきのあんなやつらが言ったどうでもいいことより、オレの言葉信じてよ。」 「あの、でもさっき『ちょっとそうかもしれない』って思っちゃった自分がいて・・・ 私、越前くんの都合一切聞かないで押しかけてたとこあったなって・・・」 最後のほうはもごもごと小さな声になってしまって、の声はよく聞こえなかった。 思わずため息が漏れた。 ほんと、余計なことしてくれるよね、あの三人。 オレは下を向いているを見つめて、また口を開いた。 「バカみたい。」 「ひ、ひどい・・・」 「だってそうでしょ?毎日のように一緒に打ってるオレの言葉と、 初めて話した三人組の言葉、どっちを信じるかなんて考えなくっても普通わかるじゃん。」 「だ、だから、越前くんが気を使って文句言わないだけかもしれないって思って!」 「オレがそんな小さなことに気を使うようなタイプに見えるの?」 「・・・・・・あんまり?」 どこか自信なさそうだったけど、返ってきたの返事。 失礼かどうかはさておき、やっとまともに話しができるような感じになってきたことに安堵した。 「オレさ、アンタの粘りテニス結構気に入ってるんだけど。」 「へ?」 「どこ落としても結構拾ってくるし、根性なきゃできないプレイスタイルだよね。 それともなに?粘り強いのはテニスだけなわけ?」 「そ、そんなことないし!」 「じゃあいいじゃん。」 ムキになったの声をさえぎるようにオレは言葉を続けた。 「今まで通り、粘り強く俺に挑んできてよ。」 ちゃんとオレのことを見るように目線を合わせてやれば は情けない顔をしたまま言葉を捜すように目を泳がせた。 「迷惑じゃ、ない?」 「迷惑だったらとっくの昔に言ってる。」 「そ・・・っか・・・」 まだ不安そうに揺れていたの目は、俺の目を見つめて嘘がないか確認をしているみたいだった。 やがて納得したのか、にっこりと笑顔を見せてくれた。 いつもと比べてぎこちないそれだったけど、オレは内心安心した。 「んじゃ、そろそろ帰ろうか。」 の手を取って立たせてやる。 オレより少しだけ下にある顔にはもうさっきのような暗い影はほとんどない。 やっぱり、には能天気な笑顔が一番似合うよね。 「あ、帰りにポンタ奢ってよね。」 「え?なんで?」 「練習試合勝ったから。」 「そうなんだ、おめでとう。んでなんで私が奢るのさ?」 「だって、『勝った方にジュースを奢る』のが決まりでしょ?」 「ええ〜!?そんなぁ!他の試合でもそれ有効なのぉ!?」 騒ぎ出すににやりと笑って、オレは部室のほうへ足を向けた。 「ほら、早く。着替えるんでしょ?」 「く、くぅ〜〜〜っ・・・!」 悔しそうにゆがむの顔がおかしくてついつい笑ってしまった。 それが気に食わないみたいでまたゴチャゴチャと騒ぎながら後を付いてくる彼女。 すっかりいつもの調子に戻ったみたいで安心した。 彼女はきっと明日もいつものようにオレに勝負を挑んでくるだろう。 挑んでくる度に確実に強くなってきている。 どんなきわどい球を打っても最後まであきらめずに追いかける。 そんな一生懸命な彼女には悪いけど、明日ももちろん負けてやるつもりなんて毛頭ない。 だって、少なくともオレが勝ってるうちはずっとオレに挑んでくるってことでしょ? 「もう!明日は絶対勝ってジュース奢らせてやるんだから!」 「オレが負けるわけないじゃん。」 にやりと不敵に笑えば、ムキになった彼女がオレの後を追いかけてきた。 負かしたいヤツがいる。 それと同じ位、負けたくないヤツがいる。 ま、少なくともテニスでは絶対にオレはアンタに負ける気ないから。 だからこれからもしっかりオレの背中を追いかけてきてよね、。
<コメンツ> |
お互いに振り回し振り回されつつ・・・な友達以上恋人未満。 くっつくにはもうちょーっと時間かかりそうだけど、この二人は今のままで充分楽しいと思います。 きっとリョーマ君は心の中で盛大にデレな隠れツンデレ系だと思う。 うん。 |